導入
レグザのゲーミングモニター「RM-G276N」は、27インチのWQHD解像度に240Hzの高リフレッシュレート、Fast IPSパネルと1ms応答を組み合わせた、かなり攻めたスペックのモデルです。
しかも価格は実売で4万円前後、セール時には3万円台前半まで落ちることもあるので、「なるべく予算は抑えたいけど、映像も滑らかさも妥協したくない」というゲーマーのツボをしっかり突いてきています。
レグザのテレビで培った映像チューニングを活かした7種類の画質モードや、Adaptive Sync対応、HDR10対応など、ゲーム向けの機能もひと通りそろっているのがポイントですね。
一方で、スタンドがチルトのみだったり、USB-CやUSBハブ機能がなかったりと、割り切っている部分もあるので、そのあたりも含めて「コスパ最強かどうか」をチェックしていきます。
まずは、RM-G276Nの基本スペックと特徴を表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー / 型番 | TVS REGZA / RM-G276N |
| 画面サイズ | 27インチ WQHD(2560×1440) |
| パネル種別 | Fast IPS(非光沢) |
| リフレッシュレート | 最大240Hz(DP接続時) |
| 応答速度 | 1ms(GTG) |
| 色域 | sRGBカバー率 99% / DCI-P3 >90% |
| HDR | HDR10 / HDR400対応 |
| 端子 | HDMI×2(~144Hz)、DisplayPort×1、ヘッドホン出力 |
| スピーカー | 2W+2W 内蔵 |
| スタンド調整 | チルトのみ(-5°〜+15°) |
| 実売価格目安 | 約39,800~45,540円(セール時3万円台前半) |
RM-G276Nのレビュー
ここからは、家電販売店スタッフである私の目線で、RM-G276Nのポイントをもう少し細かく見ていきます。
まず一番の魅力は、やはり「WQHD×240Hz×Fast IPS」という組み合わせです。
フルHDと比べてWQHDは約1.8倍の情報量が表示できるので、FPSなら遠くの敵や細かいオブジェクトが見やすくなり、PC作業では文字がクッキリ読みやすくなります。
そこに240Hzの高リフレッシュレートが加わるので、マウスを振ったときの視界の流れや、敵の移動がかなり滑らかに感じられるはずです。
パネルはFast IPSで、一般的なIPSの「発色の良さ」と「広視野角」を維持しつつ、応答速度を1ms(GTG)まで詰めているのがポイントです。
sRGB 99%カバー、DCI-P3 90%超と色域も広いので、ゲームだけでなく写真閲覧や動画視聴でも色のリッチさを感じやすいスペックになっています。
HDR周りはHDR10対応かつHDR400クラスなので、本格的なMini LED+HDR1000クラスと比べると「入門グレード」の位置付けですが、白飛びや黒つぶれを抑えたワイドレンジ表示はしっかり効いてきます。
暗いダンジョンや夜の街並みなど、従来のSDRモニターより階調が出やすくなるので、ゲームの雰囲気を味わううえでのプラス要素として考えると良さそうです。
ゲーミング機能としては、レグザのテレビ開発ノウハウを活かした7つの画質モードが用意されています。
・FPS
・RTS / RPG
・MOBA
・レーシング
・映画
・スポーツ
・標準
これらを切り替えるだけで、ジャンルごとに見やすい画質に寄せられるので、「細かい設定は面倒だけど、とりあえず最適なモードで遊びたい」という方にも扱いやすいです。
さらに暗部強調機能やクロスヘア表示機能も備えているので、暗い場面での敵の視認性アップや、FPSでのエイム補助にも一役買ってくれます。
接続周りはHDMI×2、DisplayPort×1というシンプルな構成で、PCとゲーム機を同時接続して切り替える使い方にぴったりです。
240Hzをフルに活かすならDisplayPort接続が必須で、HDMIは144Hzまでという点だけは覚えておいた方が良いですね。
スピーカーは2W+2Wの内蔵タイプで、音質自体は「おまけレベルだけど最低限使える」という評価が多い印象です。
がっつり音にこだわるなら外付けスピーカーやヘッドセット前提ですが、「とりあえず音が出ればOK」という方にとっては、スピーカー非搭載モデルよりも扱いやすいと思います。
一方で、割り切りポイントもあります。
・スタンド調整がチルトのみ(高さ調整・スイベル・ピボットなし)
・USB-CやUSBハブ、KVMなどの機能は非搭載
・HDR体験はあくまで入門級(HDR400)
なので、デスク周りを徹底的にこだわりたい方や、USB-C 1本でノートPCをつなぎたい方には、もうワンランク上のモデルの方が合っているかもしれません。
逆に、「ゲーム用にWQHD/240Hzが欲しい」「予算は4万円前後」「USB-Cはなくていい」という条件なら、かなりバランスの良い選択肢だと感じます。
RM-G276Nユーザーの口コミ紹介
次に、実際のユーザー口コミから、気になるポイントをピックアップしてみます。
悪い口コミ
・「スピーカーの音質がイマイチ(こもった音・低音が弱い)」
・「高さ調整ができず、台座も大きめでデスク上での取り回しが悪い」
スピーカーについては、「水の中にいるようなこもり方」「シャカシャカした音」というコメントもあり、音質に期待しすぎるとガッカリする可能性があります。
ただ、モニター内蔵スピーカーはどのメーカーでもおまけレベルなことが多いので、もともと外部スピーカーやヘッドセットを使う前提の人なら、大きなマイナスとは感じにくいと思います。
高さ調整や台座の大きさについては、モニターアームを使う前提ならある程度解決できる部分なので、「アーム導入も視野に入れているかどうか」で評価が変わりそうです。
良い口コミ
一方で、良い口コミもかなり多いです。
・「WQHD×240Hz×IPSでこの価格はコスパが良すぎる」
・「画質がきれいで、色も鮮やか。FPSだけでなく普段使いにも満足」
・「初のゲーミングモニターだが、テレビから乗り換えたら世界が変わった」
・「REGZAブランドで安心感があり、黒の締まりも良い」
・「FreeSync/Adaptive Syncがしっかり効いていて、ティアリングが出ない」
総じて、「画質・滑らかさ・価格」のバランスに満足している声が多く、ネガティブな意見も「この価格帯なら許容範囲」というトーンに収まっている印象です。
スマート伊藤(Ito)としての結論
家電販売店スタッフとして、そして自分でもPCゲームを楽しむ立場として、RM-G276Nを一言で表すなら「WQHD/240Hz入門として、かなりバランスの良いコスパ機」だと感じました。
まず、4万円前後という価格帯でWQHD解像度と240Hz、Fast IPS、1ms応答をまとめてクリアしている時点で、スペック表だけ見てもかなり魅力的です。
さらに、レグザのテレビで培った映像チューニングを活かした画質モードや、sRGB 99%/DCI-P3 90%超という色域を見ると、「安いだけのゲーミングモニター」とは少し違う方向性を感じます。
一方で、スタンドがチルトのみ、高さ調整なし、USB-Cなし、HDRが入門級(HDR400)など、上位機に比べて割り切っている部分もはっきりしています。
なので、「USB-C 1本でノートPCも給電したい」「スタンドだけで高さも回転も全部調整したい」「HDRは1000以上じゃないと嫌だ」というこだわりが強い方には、RM-G278Rクラスや他社のさらに上位帯をおすすめします。
逆に、こんな方にはRM-G276Nはかなりハマると思います。
・ゲーム用にWQHD/240Hzの環境を作りたい
・PC作業でも文字やUIをクッキリ表示したい
・レグザの画質が好きで、ゲームでもそのノウハウを感じたい
・USB-Cは特に不要で、HDMI/DPがあれば十分
・スピーカーの音質にはそこまでこだわらず、必要なら外付けを使うつもり
この条件に当てはまるなら、「4万円前後でここまでそろっているなら十分アリ」と、私としては言い切ってしまっていいかなという印象です。
注意点としては、WQHDで240fpsを維持しようとすると、それなりにハイスペックなPCが必要になるところです。
ただ、解像度をWQHDとフルHDで切り替えながら使う、あるいはfps重視のタイトルだけフルHDに落とす、という運用なら、ミドルクラスのGPUでも十分活かせます。
モニターサイズが27インチなので、フルHDに落としても画素の粗さがそこまで気になりにくいのも、地味に相性の良いポイントですね。
スマート伊藤(Ito)としての結論は、「WQHD/240Hzクラスの中では、RM-G276Nはかなり“推せる”コスパモデル」です。
完璧な全部入りではないものの、抑えるべきところはきちんと抑えていて、レグザらしい画質とゲーム向け機能をしっかり楽しめる1台だと思います。
予算を抑えながらも、フルHD・60Hzからのステップアップを考えている方には、自信を持って候補に入れていいと感じました。
まとめ
RM-G276Nは、27インチWQHD解像度に240Hzリフレッシュレート、Fast IPSパネルと1ms応答を組み合わせた、レグザブランドのゲーミングモニターです。
WQHDならではの情報量と、240Hzの滑らかさを両立しつつ、価格は4万円前後(セール時は3万円台前半)と、WQHD/240Hzクラスとしてはかなり攻めたコスパになっています。
・WQHD×240Hz×Fast IPSで画質と速さを両立
・sRGB 99% / DCI-P3 90%超の色域+HDR10対応
・レグザの映像ノウハウを活かした7つの画質モード
・暗部強調、クロスヘア表示などゲーム向け機能
・2W+2Wスピーカー内蔵
・その一方で、スタンドはチルトのみ、USB-CやUSBハブ機能はなし
という構成なので、「USB-C不要・スタンドは最低限でOK、その代わりパネル性能とリフレッシュレートを重視したい」という方にぴったりの1台です。
スピーカー音質やスタンドの調整範囲など、価格なりに割り切っているところもありますが、総合的には「WQHD/240Hz入門機として非常に優秀なコスパモデル」という評価で問題ないと感じました。



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